無駄から学んでいく。~社会的共通資本を土台に~

NHKクローズアップ現代「人間のための経済学 宇沢弘文  格差・貧困への処方箋」を観ました。

先月、86歳で亡くなられた経済学者、宇沢弘文さんの特集です。
効率追求の経済が人々の格差を拡大し、貧困を生み出すことを察知した宇沢さんは、
人を幸せにする経済を探求し、「社会的共通資本」を提唱しました。

社会的共通資本は、自然や道路、教育や医療など人が生きていく上で必要不可欠なものをいい、これらについては市場原理から切り離し、市民の手で運用していくことを提案しています。

そうすることで、「ゆたかな経済生活を営み,すぐれた文化を展開し,人間的に魅力ある社会を安定的に維持する」ことを可能にしていきます。

番組の中で宇沢さんも「大切なのは心」と仰っていましたが、
社会的共通資本とは、人間にとって必要不可欠な財産をみんなで共有していくことを意味します。
そこには分かち合いの心が当然求められます。

自分は優れているのだから人より多く欲しい

例えば、こんな心が人々に浮上してしまったら、上記の取り組みは成り立たないでしょう。
幸せな社会を築き上げるためには、一人一人が自らの心をしっかりと見つめ、
成長していく必要があるのだと思います。

ところで、木の花ファミリーでは最近、無駄について話し合っています。

モノを壊した時に掛かる修理費。
必要以上に贅沢な品物を購入すること。

そのような出費がここ最近続いてしまいました。
それは本来必要のない出費であり無駄遣いとなります。
日常の中に無駄があるということ。それはそのまま心の現れです。

木の花ファミリーの暮らしは汗水を垂らし自然の恵みをいただくことで成り立っています。
100円の背後には多くの労働や自然からの配慮があります。
そんなふうにして得ているお金ですから、感謝し大切に使っていきたいものです。

みんなで休憩しています。


エゴマ脱穀の様子です。


無駄遣いが出来るということは、感謝の気持ちを忘れているからであり、
日常生活では、どこか意識がぼけていて、安直に物事を進めてしまうことに繋がります。
そんな時は人に対する態度も繊細さや優しさが欠けたものになりがちです。

今はそんな自分たちを振り返る機会となっています。
その際、落ち込むのではなく、無駄を生かしていくことを心掛けるようにしています。
先のことは誰にも分かりません。今の無駄が後になって生きることもあり得るのです。
大いなる流れに心を委ねること。出来事の背後にある意思を感じること。
そういう姿勢も大切になります。

地球は人類が生きていくのに十分な恵みを与えてくれています。
ですが現状は、格差が広がり、貧困や飢餓が生じてしまっています。
分かち合う心により、現状を変えて社会的共通資本を育むことが可能となります。
そして、それは人々に安心感を与えてくれるでしょう。

その安心感は土台となり、人々を更なる成長へと導きます。
安心に浸り感謝の気持ちを忘れてしまってはいけません。
安心出来る暮らしを土台にして、日々の中で自分の振り返り心を磨いていくこと。
それがみんなで出来るようになった時、理想の世界が実現していくのだと思います。

僕たち木の花ファミリーはそんな世界を目指しています。


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