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消費税から財政論、そして木の花ファミリーの経済から世界を見る

最近、2015年10月に予定されている消費税10%への増税が話題になっています。
この増税については、「経済状況などを勘案して判断する」ことになっていて、
年内に阿部総理が最終判断をすると言われています。
どのようになるか注目されるところですね。

平成26年度予算(国税・地方税)は合計89兆2968億円で、
消費税と地方消費税はそのうちの20.5%を占めています。
(※酒税などを含めて消費課税全体では33.9%になっています)
そして、所得税や法人税など所得課税が51.3%を占めています。


国税だけで見た場合も、消費税、所得税、法人税の合計で80%に達して、これらが税収の3本柱になっています。
そして、社会保障費などの財源を確保するためには増税が必要になるが、所得税や法人税は増税が難しい。加えて、消費税のみがグローバル化に対応しているので、消費税を増税していくのが望ましい。


そんな内容が東洋経済ONLINEの「間違えだらけ!消費増税議論のナゾを解く」という記事には書かれていました。
なるほどと思いましたが、それに加えて、税収の中で、相続税や固定資産税など資産課税の割合を増やしていくことも大切になるかと思います。また環境税の導入も重要になるでしょう。

所得税や法人税、消費税は「お金の流れ(フロー)」に対する課税です。
一方、贈与税や固定資産税は「資産(ストック)」に対する課税です。

租税の役割には、富の再分配機能があります。

消費税や所得税、法人税が大きな割合を占めているということは、
富の源泉が「フロー(毎年の生産活動)」にあることを示しています。
これは経済成長をしている社会にとっては理に叶ったことで、
拡大し続ける生産活動(消費活動)に課税をすれば、自ずと税収は増えていくのです。

ですが、『持続可能な福祉社会』でも書いているように、
これからの社会は定常化社会となっていきます。
生産活動(消費活動)は減少し、そこからの税収は減っていくでしょう。
今後は、今まで生産してきた「資産(ストック)」を活用することが重要になってきます。
つまり富の源泉は、「資産(ストック)」になっていき、それは有限なのです。
有限な資産(資源)を再分配し、守っていくためにも、
これからの社会では、資産課税や環境税が重要になっていくではないかと思うのです。
それらを社会保障費に使っていくことで人々の生活に安心をもたらすでしょう。

☆彡 ☆彡 ☆彡


ここまでの文章は、千葉大学教授、広井良典さんの著書を参考にして書きました。
広井さんの文章はビジョンから具体的政策まで一本芯が通っていて、とても参考になります。

ですが、一番の基本はやはり心なのだと思います。
広井さんも心を育む基盤として、コミュニティ、自然、スピリチャリティを重視していて、
その関係性のあり方について考察しています。そして「つながり」をキーワードに挙げています。
「つながり」が上記の政策の基盤となります。

僕は、分かち合う心をみんなが持つことにより、富の再分配も有効に働くと思っています。

日本のすべての人々を自分と共に生きる存在、一つの家族のように思えるか?
世界のすべての人々を自分と共に生きる存在、一つの家族のように思えるか?

大切なのはそういう気持ちを育むことなのだと思います。

木の花ファミリーは血縁を超えて、みんなと家族のように暮らしています。
コミュニティの生活の中で、自然の恵みをいただき、神さまに心を向けています。
それは自分のエゴと向き合い、それを手放し、解放していく生活です。
その生活が分かち合う心を育み、それが世界に広がると信じて暮らしています。
そんな想いを多くの方と共有しつながっていけたらいいなと思っています。


☆彡 ☆彡 ☆彡


ところで、木の花ファミリーは昨年初めて消費税を支払いました。
その額は約60万円で、僕たちにしてはとても大きな数字でした。
これから毎年、同等かそれ以上の金額を払っていくことになるかと思います。

なぜ一昨年まで支払っていなかったかというと、課税対象ではなかったからです。
木の花ファミリーは2011年3月に農事組合法人として法人成をしました。
法人設立から2年間は消費税の課税対象とはならないのです。

そして法人設立前は、僕たちは個人事業主の集まりとして営農活動を行ってきました。
売上はメンバー全員に均等割りされます。
全体では5,000万円を超える売上も、メンバーで均等割りすると200万以下となります。
消費税課税対象の売上1,000万円を下回り数字になるのです。
※所得に関しては、ここから経費を控除するのでさらに低い数字となります。

6年前、木の花に来た時、その経済の仕組みの面白さに感動しました。
誰のアイデアだろう?と思ったら、なんと税務署の指導に従ったとのことでした。
普通ではなかなかない木の花ファミリーの事業形態。
それに適した課税方法を税務署が調べてくれたということです。
とても有難い話ですよね。

木の花ファミリーの生活は、思惑を持って創られたものではなく、
その時その時の出会いを通して、その出会いに心を開くことで創られたものです。
生活も経済も常に変化していきます。
僕自身も心を開くことで、そんな生活から学びを深め、その経済を記述し続けていきます。
それはきっと宇宙からのもので、世界を一つにする物語であり経済です。
それをどんどん発信していきます。

これが僕の大志!!!

でも語っているだけでなく日常の地道さ作業こそを大切にしなくてはいけませんね。






持続可能な福祉社会

前回の投稿「お金とは何か~自分のお金とみんなのお金」を読んだ方から、
以下のような意見をいただきました。

税金も社会を支えるためにある「みんなのお金」と言えます。

木の花ファミリーのような生活をしていると個人所得が少なくなり、
納税する税金も少なくなります。
日本の税収が少なくなることは、「みんなのお金」が少なくなることであり、
社会インフラの整備が滞り、国が不安定になり、
人々は不幸になっていくのではないのでしょうか?
そのことについてどう考えますか?

この意見に対して、僕は以下のように答えました。



税収が少なくなると国が不安定になり、人々が不幸になるかというと、
必ずしもそうとは言えないのではないでしょうか?

税収の大きさとは経済規模の大きさです。
近年、様々な機会に言われていることです。

大切なのは、収支のバランスだと思います。

仮に私たちのような暮らしを多くの方が始めたら、
支出は抑制されるでしょう。
現在、食糧の輸送には、多大な経費と環境負荷が掛かっていますが、
自給自足の暮らしはそれを最小限にすることが出来ます。
また人々が健康に暮らすことにより、医療費(保険料の支出)も抑制できるでしょう。

この暮らしは国を含めた人々の収支バランスを健全なものに導くと思っています。

~ ~ ~


上記の言葉の根拠としては、他にも、千葉大学教授の広井良典さんの研究があります。

広井良典さんは、
『持続可能な福祉社会』『定常化社会』という本を出版し、
新しい社会に必要な概念としてそれらの言葉を広めています。

定常化社会とは、「経済成長ということを絶対的な目標としなくても十分な『豊かさ』が実現されていく社会」であり、ゼロ成長社会と言い換えることも出来ます。

日本社会は今、人口が減少し、少子高齢化しています。労働力人口は縮小していきます。
また環境問題は、資源の有限性を示しています。

この2つの要因を考えた時、経済活動は定常化する必要があり、
そこでは、量の増加ではなく、質の向上が求められます。

福祉政策や環境政策を考える時、今までは別個に考えられていましたが、
これらを統合的に捉える視点が必要になります。

持続可能な福祉社会

環境政策と福祉政策の統合を表すこの言葉は、
これからの社会にとって重要な概念になってくると思われます。

日本の社会保障は、今まで、公共事業と終身雇用・年功序列がその役割を果たし、
年金や生活保護がその補助をしてきました。
国は公共事業により道路建設など様々な仕事を会社に提供し、会社は人々を雇い入れる。
それにより人々の所得が保障されます。
そして、そこからリタイアした人々には年金を支給し、
ドロップアウトした人々には生活保護を支給して来ました。

ですが、これらは今、機能していません。
公共事業は財政赤字を累積させ、環境破壊にも繋がります。
終身雇用・年功序列も崩れ始めています。
年金や生活保護の支給は財政を圧迫しています。

社会保障は方向性の変化が求められているのです。

その方向性として、広井さんは以下のことを重視しています。

若者へ所得の再分配を行うことにより教育と雇用の機会均等を保障すること。
住宅、土地、資産などストックに対する社会保障を充実させる。
現金支給よりむしろサービスの充実を図ること。
一人一人の労働時間を減らし、みんなで仕事を分け合うこと。
家族や友人、地域社会など「お金を介さない」関係を豊かにすること。
労働へ課税するのではなく、資源消費に課税をしていくこと。(環境税の導入など)

これらは、持続可能な福祉社会へ向けたと取り組みとなっていくものです。
カタカムナから観た経済システムで述べた循環型経済の渦と重なり、
それは、コミュニティや自然、ケアや公共性等々に関わる,
人間のより高次のニーズや欲求を満たすものになっていくことでしょう。

広井さんのヴィジョンを僕なりにまとめるとこんな感じとなります。

~ ~ ~

木の花ファミリーの生活は、人と人、人と自然が調和した暮らしを心掛けています。
赤ちゃんからお年寄りまでみんなで助け合いながら暮らし、
エコロジカル・フットプリントは地球1個以下の数値となっています。
みんなに優しく、地球環境から見ても持続可能な暮らしです。

20年間、コミュニティとして成長してきた木の花ファミリーの暮らしは、
すでに持続可能な福祉社会となっています。
確かに納税額は小さい数字になっていますが、
それは、人や自然と調和した数字であり、
支え合うことで人との関係を豊かにしています。

お金は天下の回りもの。入っては出ていきます。
その循環が人々を幸せし、自然を豊かにすることが大切なのだと思います。


みんなでシルバーメンバーの誕生日を祝っている写真です。








カタカムナから観た経済システム

木の花ファミリーでは月に一度、カタカムナ勉強会が開催されます。

昨日から今日に掛けて、このカタカムナ勉強会が行われました。

カタカムナとは、上古代(何千年~何万年前とも言われる)に日本列島に存在したとされるアシア族の文明の呼び名で、彼らの用いていた文字をカタカムナ文字、文献をカタカムナ文献と呼びます。以下の写真は、カタカムナ文字を用いた文献のものです。



八鏡文字(カタカムナ第5首)





カタカムナ文字は八鏡文字(はっきょうもじ)と呼ばれ、カタカナの元になっていて、イロハ48音を表しています。一つ一つの文字には魂が込められていて、それは「言霊(ことだま)・音霊(おとだま)・数霊(かずたま)」となり、宇宙を創り上げています。

カタカムナの文献は、「ない世界」から「見えない世界」、「ある世界」へと万物が生成し、消滅していく姿を描いています。それを学ぶことは、宇宙の法則を知ることであり、そのウタイを奏上することは、個人個人の「自我(エゴ)」が生み出す歪みを正し、元の「偏り」を取り戻すことに繋がります。

※物理的事象が生まれるということは、それ自体が偏りの発生と言えます。宇宙の法則に基づいた元の偏りは調和の中にあり、世界に多様性、豊かさをもたらしています。ですが、そこに個人個人の自我(エゴ)が加わることにより、その偏りが歪められたり増幅されたりして、バランスを欠いていくのです。

僕たちは日々の暮らしにカタカムナのウタイを取り入れています。
それは日常の出来事からの学びとセットとなり、
人と人、人と自然が調和した暮らしへの取り組みとなります。

毎回、様々な話題が飛び出すカタカムナ勉強会。
今回は、経済システムについても話題となりました。

発展拡大を続ける現在の経済システムですが、
それは環境問題や経済格差など多くの歪みを生んでいます。
満たされない自我が、もっともっと・・・と求め続け、
大量消費をしている状態です。
それは際限まで行けば、そのまま消えてなくなりますが、
そこまで行くと、多くの傷跡が地球に残ります。
ひょっとすると人類も消えてなくなるのかもしれません。

生活にカタカムナを取り入れることは、一人一人の自我の確立に繋がります。
その時、物質的豊かさでは満たすことが出来なかった自我が満ち足ります。
すると、捕らわれのない視点で世界を眺めることが出来ます。

今、この世界には、次から次へと2種類の渦が湧き上がっています。

一つは、我欲に基づく、経済発展の渦です。

それが次から次へと湧き上がっています。
現在の経済システムはこの渦から生まれています。
無自覚に生活することは、この渦に飲み込まれることを意味し、
環境破壊や経済格差を助長することになります。

もう一つは、調和の精神に基づいた循環型経済の渦です。

木の花ファミリーの暮らしはこの渦の一つであり、
それは今、この世界で少しずつ広がっています。

この二つの渦は共に支え合いながら、存在しています。
どちらの渦も完全になくなることはありません。
バランスが取れた状態で交じり合うことで豊かな世界が生み出されます。

近代社会以降、経済発展の渦が猛威を振るようになっています。
2種類の渦は、バランスを失い、人間社会は危機に陥っています。

木の花ファミリーの暮らし、その経済のあり方は、
循環型経済の渦を生み出し、
この世界のバランスを取り戻すものの一つです。

それは宇宙の流れであり、人類の歴史の中で、必然の動きです。
その確信の中で僕たちは生活しています。


以下の写真はカタカムナ勉強会の様子です。




木の花ファミリーで金庫番になって・・・・

2009年5月20日。

僕はそれまで6年間勤めていた公立中学校事務職員の仕事を辞めて、
木の花ファミリーへ移住しました。

ファミリーに移住したばかりの僕。
その僕に言い渡された役割は、なんと!金庫番でした。
その理由は、「顔が四角いから」

来たばかりの自分に経理を任せる木の花ファミリーの懐の広さを感じました。

あれから5年以上の歳月がたっています。
その間、様々な経験をしました。
いつもいつも木の花ファミリーのお金の動きは肌で感じてきました。
そしてそれはもう身体に染みついています。

心臓、肺、脳、目、口、鼻、喉、背骨、右手、左足、踵、髪の毛、爪・・・・
様々な機能を持った個性豊かな器官が集まり人間の身体は出来ています。
それらはお互いの機能を存分に発揮し、一つ一つの動きを生み出しています。

木の花ファミリーも同じように個性豊かな人々が集まり、一つの世界を生み出しています。
一人一人がその個性を存分に発揮し、一つの動き、流れを生み出します。

お金は木の花ファミリーの中を循環し、すべての人の必要を満たします。
血液が身体を流れ、すべての器官に栄養を与えるように。
そしてその流れは外の世界へと広がっていきます。
以下の図はその流れを示したものです。







このBLOGでは木の花ファミリーの経済を紹介すると共に、
今まで積み上げてきた実践から感じること書いていこうと思っています。

どうぞよろしくお願いします。


木の花ファミリーホームページにも経済の説明は書かれています。
是非お読みください。



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