話しは大きく変わって。
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エジプトよ。あなたは一人ではないよ。みんな民主主義に向けて努力していることを忘れないで。民主主義は専制政治に対する抵抗から始まった。専制政治は目の前の現実。だから戦おう!でも専制政治はみんな(+すべての組織)の中にあるロールでもある。みんな、時には自分や誰かに対して専制的になる。民主主義がずっと続くように。内なる戦いに踏み出そう。そして自分の中にある専制的な要素を取り除こう。そして、他者の視点を取り入れていこう!なぜって?それらはたいていあなた自身の声だから。世界から飛び出そう!そして心の奥底へ分け入ろう。一緒に戦い愛を深めていこう!
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上記は2013年8月、クーデター後の混乱の中にあったエジプトに向けたアーノルド・ミンデル(アーニー)の言葉です。当時、翻訳してFacebookでシェアしたのを久しぶりに目にしました。アーニーが実践するプロセスワークでは深層民主主義を掲げており、一人ひとりの心の奥底からの同意を目指しています。そして、その実践の一つとしてワールドワークというものがあります。ワールドワークでは、グループでの対話を通して一人ひとりの心の奥に入っていきます。世界で起きていることを一人ひとりの心の反映と捉え、現実社会と一人ひとりの心をクロスさせながら対話を深めていきます。アメリカのロサンジェルスの各地で暴動が起きた頃、アーニーはそのロスでワールドワークの実践をしたことがありますが、ワールドワークが行われた地域では暴動が起きなかったということを聴いたことがあります。ワールドワークの場では時に激しい対話も行われますが、その激しさの中で対立のエネルギーが昇華されていくのだと思います。
"Sitting in the fire"
炎の中で座る。
アーニーはワールドワークの実践をそう表現しています。
僕は昔、プロセスワーク、特にこのワールドワークの実践に大きな可能性を感じ、プロセスワークの学びを深めていました。ですが、ワールドワークはあくまでセミナーでありイベントです。日常に大きな影響を与えたとしてもそれは非日常の場となります。それだけだとどうしても限界があります。もし本当に深層民主主義の実現を目指すならば、その取り組みを日常の場へと広げていく必要があります。
老若男女約100名で毎日を共にしている木の花ファミリーの暮らしは日常が深層民主主義へと至る実践です。目の前に起きる出来事を通して、みんなで学びを深めていく。その際、一人ひとりの心の奥を探り、天の流れに沿っていきます。表面上は違いがあって、それが時に対立に発展したとしても、この世界の元の心は「ひとつ」です。天の流れに沿うことですべての意見が調和の下に変化変容を繰り返し、それは美しいハーモニーとなっていくのです。
民主主義は人々の多様性を尊重しますが、人間の自我の心により表面的な違いが際立ち、対立や分断、孤独に繋がることがあります。これは心の奥、天の流れを無視することによって生まれる状態で、今の世界の姿と言えます。
冒頭で取り上げたように2013年、エジプトでクーデターが起きました。あれから4年経ちますが、世界はさらに専制的となり対立や分断、孤独が深まっています。アメリカのトランプ大統領、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、北朝鮮の金正恩氏、トルコのエルドアン大統領などはその象徴と言えます。利害関係に囚われ対立し挑発し合う世界のリーダー達。それは損得感情でいっぱいになった人々の姿の反映と言えます。人々は心の奥へは飛び込まず、目の前の出来事に一喜一憂し、翻弄され、行先を見失っているのです。
「蜜蜂のように生きる」に書いたように、蜜蜂の世界では無数に存在する働き蜂が群れの方向性を決めています。1匹1匹の働き蜂が奥の部分で通じ合い、気候や天候、自然の流れを読んでいるのです。それは天の流れの下、一つにまとまった姿であり、その姿が美しいハーモニーを奏でていきます。人間一人ひとりも、自我の心、「自分が・・・」という心を超えて奥へと飛び込んだ時、天の流れの下、一つになっていくことが出来るのです。
それは本当の自分へと至る過程でもあります。人間の自我は、目の前の出来事、表面的な喜怒哀楽に心奪われ、損得勘定に走りますが、その奥にはこの世界に生かされている自分がいて、それはすべての存在と繋がっているのです。世界が自分であり、自分が世界。自分自身はこの全世界の一つの表現であり、自分の中にすべての世界が含まれ、自分は世界の一部となります。一人ひとりがそこに目覚めた時、調和の下に多様性が展開され、きっと今ある分断や対立は超えていくことが出来るでしょう。
そこで冒頭の話に戻ります。
何か必要なことを推し進めようとする時に僕の中に漠然とわく抵抗感。僕が持つ受け身な心。これは僕の自我の偏りです。基本、受け身だからこそ積極的に動いていくことが大切なのだと思っています。そうすることで受け身と能動、相反する姿勢が僕の中で統合されていきます。陰と陽、相反するものがこの世界、そして自分を生み出していますが、自我は偏りを持って世界と自分を捉えます。その偏りに閉じこもることで、分断や対立は生まれていくのです。だから常に相反するものに心を開いていく必要があります。その姿勢が自我を超えていくということであり、それは絶え間なく続くプロセスの中にあります。
自分の中に湧き上がる心、その出どころは様々です。そこを見極め相反するものを自分の中で統合していく。そして宇宙の流れに沿っていく。その姿勢がこの世界に統合をもたらします。なぜなら、世界は自分の映し鏡だから。
僕は今、そんな道を歩んでいます(^-^)
川の上流へと向かって歩いています。 |
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