大いなる意思と預言(運命)、そして人々の決意。

ハリーポッター』は魅力的な物語でいろいろな側面がありますが、そのうちの一つとして預言の物語と言えます。悪の帝王ヴォルデモートは自分を滅ぼす存在が生まれるという預言を聞き、赤子のうちにその存在(ハリー)を葬り去ろうとします。ですが、その行為により、自分を滅ぼす存在としてハリーを選ぶことになるのです。これは息子(エディプスに殺されるという預言を聞き息子を殺そうとして失敗したギリシア神話のライオス王の物語に通じるものがあります。

預言(運命)は絶対で避けることが出来ないのでしょうか?

一方、映画「マトリックス」も預言の物語と言えます。主人公のネオは周りから救世主と期待され預言者の元を訪れますが、預言者からは「あなたは救世主ではない」と言われます。それは「トリニティの愛するものが救世主になる」という預言と矛盾するのですが、トリニティはそのことは言いません。周りが間違えていたと思ったネオですが、その後自分のうちから湧き上がる感覚を信じ行動することで救世主になっていくのです。

避けようとしても避けられない預言がある一方、信じることで初めて実現する預言(運命)もあります。

僕が思うのは、ライオス王やヴォルデモートは利己的な人間で、それに相応しい預言が与えられ、利己的に振る舞うことで、それを実現したのです。もし、潔く預言を受け入れたならば結果は違ったのかもしれませんが、利己的な2人にはそんな選択肢はないのです。この二人の関心は自分自身にだけありました。そんな2人に預言(運命)を変える力はないのです。

一方、マトリックスのネオに示された預言(運命)は、自分のことというより、この世界についてのものです。だから、その預言を実現するには、自分を超える決意、強い信念が必要になるのでしょう。それはヴォルデモートを滅ぼしたハリーにも言えることです。

みんなから恐れられる存在、ヴォルデモート。

ですが、ハリーポーターの物語はヴォルデモートなしでは成り立ちません。だからヴォルデモートはとっても大切な役割を演じているのです。ヴォルデモートの特徴は、生に対する常軌を逸した執着で、自分の生を邪魔するものはとことん排除しようとします。生に対する執着。それは現在の自分の感情、認識を失うことに対する恐れと言えて、現代人の多くが抱えているものなのではないでしょうか?多くの争いや混乱を生み出している現代人、その奥には自分に対する執着があります。ヴォルデモートはそんな現代人を象徴していると思っています。そのヴォルデモートを滅ぼし救ったのは、自らの死を受け入れたハリーの行動です。自らの死を受け入れる。それは現在の自分の感情や認識を手放すことでもあり、現代人に必要で、現代人を救う姿勢なのだと思います。

それで預言といえば、ホピ族の預言が有名です。以下のホピの預言について、天下泰平ブログ「アイソン彗星とホピの予言」から引用します。

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ホピの予言を語る前に、まずホピ族とは、古代マヤ文明の末裔とされ、約1000年前に神に導かれて北米の地にやって来た人々のことで、主にアメリカのアリゾナ州に住むネイティブ・アメリカンの部族のひとつです。

神々から様々な予言を伝承されたホピ族の予言には、まるで近代社会を予知するかのような内容のストーリーが数多く存在しており、それらは岩絵などにも刻まれた“ホピの予言”として現代でも広く知れ渡っています。

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※“ロードプラン”と呼ばれる岩絵に描かれたホピの予言
この岩絵は、ホピの聖地オライビ近くの岩に描かれた有名な「ロードプラン」と呼ばれる絵です。左下の人物は、太霊マサウを表しているようで、右手にはたいまつ、左手には、数千年前、ホピが地上に出るのに通った「アシ」を握っています。

アシの右に見える円は“第四世界”という今の周期の文明を示しており、長方形は地上世界への脱出口「シパプ」で、そこから伸びる上の線は、多くの人が従う“物質的な道”を示すようです。

手を繋いでいるのは、彼らが物質的な生き方で結束していることを表し、波線の示す「混沌」がその結末となる戦争と破壊への道を表しています。

ホピが従うように命じられている道が、下線に示されており、それは“伝統派の歩む狭い道”で、トウモロコシ畑に立つ長老で終わっています。彼は伝統に忠実な者たちに約束されている平和と繁栄の象徴となっています。

この線沿いには、3つの円と縦線が見えますが、3つの円は予言された“世界大戦”で、最初の2つはすでに終わり、2013年の現在までは最後の1つ“ハルマゲドン”はまだ来ていません。

最初の2つの円に続いて、上下の線を結ぶ“縦線”がありますが、これは誘惑にはまって“進歩派(上の線を歩む人々)”になり、古来の信仰を捨てる人々の離反を予言しているようです。そういった人々が、3つ目の円(最終戦争)の前に出て来るようです。

この“ロードプラン”は、まさに今の二極化の世界、そして人類の進むべき道の岐路を見事に表現していると思います。

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もしホピの預言を利己的な心から軽視したり、恐怖から避けようとするならば、ヴォルデモートやライオス王のように滅びを引き寄せることになるのではないでしょうか?

ですが、ホピの預言を平和への預言と捉え、大いなる意思を感じそれに沿っていくならば、大いなる意思の存在を信じ自分を超える決意をするならば、この世界に平和と繁栄が実現するのだと思います。

預言を生み出し、預言を実現するのは一人ひとりの心なのだと思います。ということで最後に僕ら木の花ファミリーメンバーが信じている預言、ジイジの言葉を紹介してこの原稿は終わろうと思います。この世界を本当に豊かなものにするために。僕らは心を磨いていくのです。

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「いつかこの国を司る人たちがここへ来て、こう問いかけます。『私たちはこれまで、この国を豊かな国、本当に人々が幸せな国にしようと一生懸命努力してきましたが、いくらやってもどうにもうまくいかないのです。どうしたらこの国を正しく導くことができるのでしょうか。』

それに対して、僕はこう答えます。『それは、仕組みや制度をつくることではありません。ここにある自然を見てください。そして、そこに生きる人々の心を見てください。このような心で人々が暮らせるようになった時、そこは本当に豊かな国となるでしょう。』」




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