みんなの中でよみがえり生きていく(5)

明日はクリスマス、そしてクリスマスと言えば、イエス・キリストです。僕はイエスのお話については以下のように考えています。

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多くの人々に救いをもたらしたイエス・キリスト。イエスは処刑されますが、予言通り3日後に復活します。僕は常々、イエス・キリストの死と復活については、心の成長過程のモチーフになっていると思ってきました。

イエス・キリストはすべての人間の罪を背負って磔(はりつけ)にされ、命を落とします。人間の罪とはすなわち「自我(エゴ)」だと思うのです。自我の元、人間は自らの欲望を叶えようとし、世界に働きかけます。その結果が今の社会であり、環境問題、経済格差、人種差別、民族紛争など様々な問題を生み出しました。イエスの死は、問題を起こしてきた自我の死を意味します。自我の死とは自意識を捨てることであり、自分視点を離れることです。その体験は人に恐怖を与えるのかもしれません。執着の感情が湧き上がるのかもしれません。ですが、自我の死、自意識を手放すことは人間に新しい可能性をもたらします。

磔にされ肉体の死を迎えたイエス・キリストは、3日後に復活するのです。それはイエスの魂の復活であり、それ以後、イエスは人々の中で再生し、今も世界を見まもり続けています。人が自意識を捨てる時にも同じようなことが起こります。

自意識を捨てる時、人は今まで囚われていたものから解放されます。その時、人は、自分(自意識)が知らなかった自分と出会います。思いもよらない感情や能力が湧き上がってくるのです。そしてそれは波動となって世界に広がり、人々の心に伝わっていきます。自意識の元、自分の中だけに留まっていた心、感情が動き出し他の人々の心の中に入っていくのです。そして、その心は人々の心の中で生き続けます。自分の魂が肉体を超えてみんなの中で生きていく。自意識を超えた時、そんな生き方が可能となるのです。

木の花ファミリーの生活は自我を手放す生き方へとみんなを導いてくれます。多くの人と共に暮らす生活では、調和の心が何よりも大切になります。自分だけの都合で動くことは、軋轢が生じるきっかけとなります。毎日の生活の中で、現象を通して、自分を知り、自意識を手放していくことが出来るのです。そして、自意識を手放し空っぽになった自分の中には、みんなの心が入ってきます。
個性豊かな人々の心によって自分が創られていくのです。こうなると成長の可能性は無限大となります。出会う人々、出会う体験が自分を創っていくのです。それがどんなものになるかは自分の想像をはるかに超えることです。人生はまさに道(未知)への旅です。わくわくします(^-^)




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人の身体は新陳代謝を繰り返し、古い細胞が死に、新しい細胞が生まれ続けています。死ぬことで、その細胞に意味がなくなるかというと、死んだ細胞の生み出したエネルギーは、身体全体の中で生かされていきます。同じように手放した自我のエネルギーは、他者に伝わり社会全体の中で生かされていきます。そしてまた新たな自我が湧いてきて、そしてそれを手放して・・・・というように繰り返していくことで、自分と世界に新陳代謝をもたらします。そのトキ、世界は一つの身体となって、みんなで共に生きていけるのです。そのトキ、共有されるものは、大いなる天の物語であり、その中で一人ひとりが独自の役割を担っていくのです。そんな未来の暮らしを実践しているのが木の花ファミリーの暮らしです。

イエスの死と再生は、自我と世界との出会いであり統合を表していて、自我は世界の中に溶けていくトキ、全体の中で生かされていきます。そして、世界は自我の映し鏡となっています。例えば、自我の中に閉じこもっていたら、停滞した世界と出会い、自我を開放することで世界は変化していきます。そのことをジイジは以下のように表現しています。

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生きるとは、自らの魂が生み出す「思い」を表現することです。思いは、それぞれの響きを持っています。私たちが生きて、思いを表現すると、その思いの響きがこの世界の何かしらに当たり、ふさわしい現象となって自らに返ってきます。自分がどのような響きを発するかによって、世界はその響きに正しく応え、ふさわしい出来事を与えてくれるのです。そうすると、人生で出会うすべての出来事は、自分自身を観ていると言えます。つまり、この世界は鏡なのです。

 ~ 中略 ~

生まれてきて、生きることは、命の仕組みです。それは宇宙の法則の中にあります。人生を生きるといろいろなことに出会いますが、その出会いは、自らの魂が何を発したかによって、それにふさわしい出来事が返ってきたということです。返ってきたものを見て、私たちは自分自身を知るのです。


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宇宙という一つの身体の中に、一人ひとりは細胞として生を受け、そして自らの魂が生み出す「思い」を表現することで、宇宙を体験するとともに、宇宙を創り上げていく。それが生きるということで、自らの変化により、出会う出来事が変化し、宇宙を変化させていくのです。一人ひとりの存在は、本当に本当にささやかなものでしょうが、1つの細胞として確実に宇宙全体を担っています。

クリスマスと言えば、イエス・キリストの物語。そこからあらためてこんなことを確認しました。


1999年に作成した箱庭。中央に磔にされたイエス・キリストがいます。

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