「農事組合法人木の花ファミリーと6次産業化」など農事組合法人について記載した文章に興味を持っていただき、江戸時代後期に大原幽学が設立した先祖株組合の存在を教えていただきました。
この先祖株組合は天保9年(1838年)に設立されたもので、世界で初めての農業協同組合です。
大原幽学は、先祖株組合の設立以外にも、農業技術の指導や耕地整理、質素倹約の奨励などを通して農民を指導し、長部村(※現在の千葉県旭市)の農村復興に貢献したといいます。
同時代には、二宮尊徳もいます。二宮尊徳は報徳思想を広め、農村復興に貢献していきます。報徳思想は、経済と道徳の融和を訴え、私利私欲に走るのではなく、社会の貢献に努めることがいずれ自らの幸せに繋がるという思想です。この思想は、神道、仏教、儒教の教えと農業の実践から生み出されました。二宮尊徳の功績は大きく、大飢饉で疲弊した600以上の農村を復興させています。また世界で初めての信用組合である五常講を作りました。
この2人が活躍したのは、幕府の財政が逼迫していた江戸時代後期。人口も減少していたといいます。現代と共通する特徴があります。この時代に活躍していた2人からは学ぶ点が多いのではないかと思っています。
まずは協同組合や信用組合の設立精神から学ぶことがあるかと思います。
収益を上げながら社会問題を解決していく社会的企業。
協同組合や信用組合はそれを支える組織形態として特にヨーロッパで取り組みが進んでいます。
日本でも2013年2月に放送されたNHKのクローズアップ現代『働くみんなが”経営者” ~雇用難の社会を変えられるか~』で、協同労働が紹介されていましたが、それは協同組合に繋がります。
大原幽学や二宮尊徳の取り組みは、この社会的企業の始まりと考えらえます。
その設立の精神はこれからの社会に生かされていくことでしょう。
木の花ファミリーも、農事組合法人として、この協同労働の仕組みを採用し、一人一人が独立した経営者として働いています。これは人々が助け合って働く組織形態としてこれからの社会でより必要になってくると思っています。そして、それをさらに進めたものが生活も協同で創り上げる木の花ファミリーの暮らしです。それは生活することがそのまま社会のためになるシンプルで自然な暮らしです。
次に2人の思想からも学ぶ点は多いかと思います。
大原幽学も二宮尊徳も農業の実践からの学びを生き方に繋げていきます。
土を基盤とする農を大切にすること。それは自然への感謝。環境への配慮にも繋がります。
経済も人や自然への配慮、道徳と融合していきます。
道徳を忘れた経済は、罪悪である。
経済を忘れた道徳は、寝言である。
上記の二宮尊徳の言葉は今の社会に対しても大切なメッセージとなっています。
生姜畑で休憩中 |
木の花ファミリーも、農法である天然循環法を生活、そして生き方へと繋げています。そして経済もその生活を基盤としています。
いのちがいのちを支え循環していく。
この循環には「ない世界」から「見えない世界・ある世界」への循環も含まれます。
一つ一つバラバラに見える現象世界の物事も潜象界(ない世界)へ行くとすべて一つです。
いのちの源に還り、そこから存在や事象を読み解き、味わい、過去から未来へと繋げていく。それは宇宙の始まりから続く循環の流れに想いを馳せることであり、今この瞬間にそれを表現していくことです。
そんなことを今、思っています。
※ちなみにゲゼル研究会のゲゼルとは、シルビオ・ゲゼルという20世紀初めに活躍した経済学者です。ゲゼルについては、機会をあらためてこのBLOGで取り上げようと思っています。
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天然循環法に興味を持たれた方は、11月30日千葉県千葉市で開催される出張木の花塾『すべては響き~宇宙視点の農』にご参加下さい。きっと刺激的で充実した時間になるかと思います。
前回の出張木の花塾の参加者です。 |
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